2010年03月31日

鬱病体験から学んだこと

 このブログでも、私がうつ病であったことを公表していますが、セミナーや勉強会などで自己紹介するときもうつ病であったこと、自殺願望があったことをあっさり公表しています。

 初めてお会いした方は、最初は驚いた顔をしておられます。
でも、私があえて公表した効果がじわりじわりと効いてきます。

 休憩時間や、会場から出るときに、スーッと近づく人がおられます。
後日、電話をかけてこられる方もおられます。
 そうです。ご本人か、その方の知人でうつ病の方がおられて、悩んでおられるのです。

「内野さん、うつ病って、どんな病気ですか?」
「内野さんはどうやって克服したのですか・・・?」

 この12年間連続で、自殺者が3万人を超えているのはやっぱり異常事態です。
私の周りにも自殺者がおられます。
 ご本人も辛かったでしょうが、残された家族や友人も辛いのです。
私がこうやってオープンにするのは、一人でも良いので自殺者を減らしたいことです。
 自分が「鬱病で自殺願望者でした」と公開するのは、とても勇気がいりました。
でも、私と同じように今現在悩んでいる方を救うことは、”昔の自分を救うこと”なんです。

 時折このコーナーでもご紹介していますが、
もう一度書いておきます。
 あくまでも、私は心療内科の専門医ではありません。

(1)どんな状態だったか。
 一言で言うと、自分の肉体なのに他人の感じでした。
たとえば、ご飯を食べていてもまったく味を感じませんでした。
 ご飯を食べている自分の姿を、横でもう一人の自分が醒めた目で見ている感覚。

(2)第3者の励ましの言葉はウザイ!!
 最近はテレビなどでも紹介されていますが、「大丈夫よ頑張らんね!!」と励まされる言葉は何の意味もありません。
 本人は、自分の精神状態が普通ではないことを自覚しています。

 どん底の状態にいるのを自覚していて、何とか脱出しようともがいている状態です。
その状態のときに、「頑張れ!!」と言われても、本人は「そんなことわかっとる。わかっているのに脱出できないからうつうつとしているとたい。せからしか、ウザイ!!」と思っています。

(3)自殺したいと思ったとき
 一番ひどい状態のときは、「俺は価値のない人間だ。この世に生まれなきゃ良かった。この世から消えたら楽だろう・・・」と思っていました。
 交通事故で長期入院し、意識のない母のベッドの横に突っ立って、情けないことに、ぶつぶつと30分ほどつぶやいていたこともあります。
 無意識だったとはいえ、母には大変申し訳ないことをしてしまいました。

数式にすると・・・
 自己否定=自分を消す=消去=自殺・・・に結びつきました。

(4)脱出するまで個人差がある
 私の場合は、妻の支えと、周りの方の支援でなんとか持ちこたえて、漢方医の助けもあり、時間はかかりましたが脱出しました。
 奥様の寿美花代さんが先日テレビで話をしておられましたが、俳優の高島忠雄さんはピアノを弾いてうつ病から脱出されました。

(5)うつ病の原因
【☆田中美智子のキラキラ幸せ生活☆ 】のブログで、エチカの鏡でストレスが様々な病気の原因であると紹介されたそうです。
 その証拠に、食べるだけで精一杯の未開国ではうつ病はないようです。
今の日本でストレスから逃げることはできません。
 ストレスとうまく向き合うことが大切です。

(6)うつ病からの脱出
【☆田中美智子のキラキラ幸せ生活☆ 】のブログで、エチカの鏡でも取り上げていたようですが、私の体験とよく似ています。

●朝日を浴びる
 うつ病のときは昼夜逆転の生活に陥りやすい。
早起きして、カーテンを開けて朝日に向かってお辞儀をする。
神棚や仏壇の水やお茶を入れ替え、拝むこと。
●規則正しい生活
 最初は辛いでしょうが、3食をきちんと摂ること。
●姿勢を正す
 つい下向きになりがちです。
背筋を伸ばし、視線を少しあげてあごを引く。
●早足で歩く
 ついだらだら歩きますから、意識して競歩並みに早足で歩きましょう。
できれば、スキップ気味に歩きましょう。
●踊る・体操をする
 体を動かすことが大切です。
●カラオケで思い切り大声で歌う
 歌がうまい下手は関係ありません。横隔膜を動かしましょう。
●喜怒哀楽は隠さないこと
 うつ病のときは、感情が表に出にくい。
だからこそ、素直に悲しいときは大泣きし、楽しいときは大笑いし、
辛いときは辛いと回りに伝え、頭に血が上ったときは怒ってもいい・・・。
我慢が一番いけません。
 特に、「男だから泣いたらいけない」なんてことはありません。
辛いときは、大泣きしていいのです。絶対に我慢しないこと。
●本音を言える友人を持ちましょう
 本心を言えるのは、家族とは限りません。
家族だからこそ言えない事もあるでしょう。
 素直に心を開いて話せる友人、知人を持ちましょう。
●ペットと暮らす
 犬や猫と暮らすと、心が癒されます。
●草花・木を育てる
 土を触る、草花を育てる、木の手入れをすると心が落ち着きます。
●自然に触れる
 美しい景色を見て感動しましょう。
●芸術に触れる
 国宝や重要文化財を見に行きましょう。感動しましょう。
●生歌、生演奏に触れる
 CDやテレビでは味わえない、素晴らしい感動を浴びましょう。
●楽しい話を聞きましょう
 落語などプロの話を聞く方法も良いでしょう。
気のおけない友人と馬鹿話をするのもいい。
 肩の力を抜いて素直な心で生きましょう。
●おいしい食べ物をいただく
 うまいものをいただくことで、感動しましょう。
●目標は高くしない
 誰しも仕事や生き方で理想があります。
理想が高いことは美徳のように思いますが、とんでもない。
高すぎる目標は心のストレスになり、うつ病をひどくします。
 人生“ほどほどで十分”と思いましょう。
人間は変わること(チェンジ)を本能的に避けます。
何事も、自分の思い通りにならないと、あれこれ悩みますが、
所詮自分の思い通りにはならず、ストレスになります。
 目の前に起こったことは、“すべて事実である”と認めましょう。

【例】お姑さんの性格が嫌い
 残念ながら、若奥さんがどんなにお姑さんの悪口を言っても、お姑さんの性格は変わりません。労力と時間の無駄です。
 お姑さんの現状を認めて、いいところを探しましょう。
お姑さんの欠点は、反面教師と思って認めましょう。

【例】社長や上司、同僚や後輩で嫌いな人がいる
 前例と同じです。相手は変わりません。
唯一変われるのは自分だけ・・・。
 相手のいい所を探しましょう。
あなたが嫌いだと思っていると、相手に伝わっています。
 相手との関係は悪化するだけです。
相手の方が、残念ながら人間力がない方なら、いずれは周りから浮き上がります。
 あなたが手を下さなくても、自然に相手は社会から脱落してしまいます。

【例】受験に失敗した・就職できない
 希望の高校や大学に入れなかったこと、希望の会社に入れなかったことは辛いことかも知れません。
でも、有名校や有名企業に入ることが全てではないことを、肝に命じておきましょう。

 私は松下幸之助さんと、本田宗一郎さんが大好きです。
時代が違うからお二人は参考にならないかもしれませんが、お二人とも学歴はありません。
 中卒で料理が好きでフランスに渡り、成功した人もいます。

 今はインターネットが普及しています。
頭を使えばサラリーマンより、素晴らしい世界が広がるかも知れません。
 考えようでチャンスは広がるのです。
 あきらめないで、最低3年先から5年先を見ましょう。

 あなたがなりたいのはサラリーマン?起業家?
社会の役に立つ仕事はいっぱいあります。
 親はギャーギャーわめくかもしれませんが、親は子供が楽をすることを望んでいます。
 有名校から有名企業に入社しても、その会社が倒産しないとも限りません。
 中小企業にもキラリと光る会社があります。そんな会社を探しなさい。

 根本的に若いことは、やり直しが何度もできることです。

 松下幸之助氏が企業人として成功した晩年に言った言葉は、「若さが欲しい。もう一度若いときに戻っていっぱい失敗をしたい。若いことは素晴らしい。夢がある」
 
■今悩んでいる方へ・・・

私は鬱病の方には、「頑張るな!!」と言っています。
自分の理想像を高い所に置いて頑張ると、反動でガクッと落ち込みます。
それが鬱病のきかっけになったり、重症化の引き金になります。

「頑張るな!!



同じカテゴリー(心の病気・鬱病)の記事画像
PM2.5の影響は怖い
「笑わない」体調不良1.5倍 日経新聞2月4日
バイオレゾナンス医学会 佐賀県立美術館
バイオレゾナンス医学会 11月3日
電磁波過敏症を脱出
電磁波は怖い
同じカテゴリー(心の病気・鬱病)の記事
 PM2.5の影響は怖い (2018-07-01 00:34)
 9月号のテーマはお悩み解決 「ウルトラマンの教え」 (2017-09-10 23:47)
 工藤静香「黄砂に吹かれて」は好きですが・・・ (2016-03-21 21:59)
 「笑わない」体調不良1.5倍 日経新聞2月4日 (2016-02-06 21:38)
 PM2.5多し・・・洗濯物は外に干さない!! (2015-06-12 10:49)
 バイオレゾナンス医学会 佐賀県立美術館 (2014-11-04 00:17)

Posted by テレコムOAうっちゃん  at 00:08 │Comments(1)心の病気・鬱病

この記事へのコメント
ワタシも長い事ウツだった(今も少し?)ので良く判ります。
真っ只中の時は冷静に自分が見れないので周りのサポートが大事ですね。
理解してくれる(支えてくれる)人が身近に居た事に感謝の念が絶えません。

気分転換を如何に行うかが自分のポイントでしたね~
犬・猫・馬に癒して貰い復活の階段を登る事が出来ました。
どろんこハリーさんの厩舎には非常にお世話になってます!
(って言うか、いまだに遊びに寄らせて貰ってます・・・)
この場を借りて「ありがとうございます!」
Posted by ぽん太 at 2010年03月31日 00:45
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。